構 造 物
100年の信頼を、次の100年へ
先人の偉業に新しい技術で応え、
鉄道土木構造物の歴史を
次世代に継承する
線路を取り巻く鉄道土木構造物には、建設後100年を超える歴史的構造物も少なくありません。中には経年劣化が進んでいるものもあります。レールテックは、広い視野と高度な技術力を駆使して、丁寧な維持管理によって先人から受け継いだ土木構造物を次世代に引き継ぎ、列車の安全走行とお客様の安心に貢献しています。
鉄道土木構造物の検査
鉄道土木構造物には、法令で定められた定期的な検査が必要です。検査の計画・実施、健全度の評価、変状原因の推定などを行います。検査は目視が主体となり、検査箇所は多岐にわたるため、各専門分野に関する設計から施工までの幅広い知見が求められます。
橋りょう
橋や高架橋に異常がないか検査します。
建設されてから100年以上の橋りょうもあり、レールテックの検査によって守られ、引き継がれています。
トンネル
覆工に剥落・落下の恐れがないか検査します。
軌道と道路の両方を走ることのできる「軌陸車」、「トンネル点検車(TK車)」といった保守用車を使用して、終電から始発までの夜間に行います。
土工等設備(盛土・切土)
土または岩石を材料として構築された構造物、その構造に異常がないか検査します。
列車が走る空間は主に土を盛ったり削ったりして作られていますが、近年は自然災害が多く、それを鑑みた検査を実施しています。
停車場
駅のホームに段差やガタツキがないかを検査します。
列車を安全に通すためにはもちろんのこと、お客様に安全・快適にご乗車していただくためにも大切な検査です。
鉄道土木構造物の調査
定期的な検査によって抽出された構造物の変状・異常について、より詳細で客観的な情報を得るため、計測機器による測定や試験・解析を実施し、診断や対策の提案を行います。
調査を行うには、専門分野に関する高度な専門的応用能力と課題解決能力が求められます。
橋りょうカルテ
レールテックでは、架設後数十年が経過した橋りょうを「鋼橋の専門」の目で診断し、予防保全として橋りょうカルテを作成しています。
これまでに、数百連の橋りょうカルテを作成しており、今後も河川等に架橋されている橋りょうを診断していきます。
・橋りょうの構造的特徴や損傷状況を把握
・定期点検時の着目ポイントを図や写真で整理
・社内研修を修了した専門技術者がカルテを作成
斜面防災カルテ
鉄道構造物のなかで多くの割合を占める土工等設備のうち、特に斜面は、ひとたび災害が発生すると大規模になり、運転再開までに長期間を要します。斜面のみならず、線路から少し離れた周辺環境も調査し、斜面防災カルテを作成しています。
・斜面等の地形・地質や安全性を把握
・定期点検時の着目ポイントを図や写真で整理
・社内研修を修了した専門技術者がカルテを作成
発注者支援
鉄道施設や鉄道に近接した土木構造物をプロフェッショナルの視点で見極め、構造物の管理者(発注者)を支援します。
こ線橋点検
道路管理者からの依頼を受け、線路の上を立体交差しているこ線道路橋を点検します。
こ線道路橋直下の鉄道に対して安全対策を万全にし、適正な点検方法を選定して実施しています。
道路橋の点検と鉄道への運転保安を同時に実施できる技術がレールテックの強みです。
工事監理
土木構造物の建設や補修工事においては、ライフサイクルコストを視野に入れた良質な構造物を建設していくことも、将来のメンテナンスにとって非常に重要な要素です。そのためには、安全で高品質な鉄道土木工事の施工が不可欠です。
レールテックでは、これら土木構造物の建設・改良・補修工事を、施工会社が設計に基づき適切に施工しているかを、発注者に代わって確認する工事監理を行っています。
列車の運行を止めることのないよう予防保全に努め、利用者様の日常を守ります。
新技術の活用
土木技術は日々進歩しています。
レールテックは鉄道土木構造物の未来を見据え、新技術への研究と挑戦をしています。
ドローン活用
これまで人が接近することが困難であった箇所も、ドローンを使うことで安全かつ高精度な検査が可能になります。
閉鎖空間も安全に飛行できるよう「アイガード」(特許第7270324号)を装着したドローンにより、屋根裏等の目視点検が行え、コンクリートの変状、漏水等を確認できます。
また、災害が発生したときの被害状況調査では、技術者が危険にさらされるリスクを抑え、迅速に高精度な調査を行うためにドローンが活躍します。
ロープ高所技術
ロープ高所技術を活用して、社内研修を修了した専門技術者が橋りょうの目視点検や専門機器を使った詳細調査を行っています。
高所作業車や足場架設を必要としないため、迅速にかつ的確に目標物へアクセスして、損傷の把握や健全度の診断、維持管理方針の提案などが可能です。
鉄道インフラを守り、
次世代に引き継ぎ、人々の暮らしを支える。